アラムナイ・ストーリーズ第26回:ニザール・マムダニさん
ニザール・マムダニさんは1969年にICUを卒業しました。タンザニアで生まれ育った彼は、すでにICUで学んでいた兄・イクバルさんの後を追って、ICUに入学しました。マムダニさんは現在はアメリカ在住で、世界中の子供達にメガネを支給するFirst Sight Eyeglassesという非営利団体を運営しています。
マムダニさんのICUストーリーをお楽しみください。
タンザニアからICUを経て32カ国へ:世界中の子どもたちに無料で「視力」という贈り物を

私はタンザニアで生まれました。そこは美しく力強い土地である一方、高等教育の機会には限りがありました。多くの若者にとって大学の門は閉ざされていましたが、私にとって奇跡の扉が開かれました——日本、そしてICUです。
ICUは単に私を教育してくれたのではありません。私の価値観や使命感、そして人生の目標そのものを形づくってくれました。多様で思いやりにあふれた学生たちとともに学び、日本的な規律、年長者への敬意、忠誠心、謙虚さ、そして信念を貫く勇気を身につけました。
第二男子寮(ダイニ)での生活は、兄弟愛と人間の絆の大切さを教えてくれました。私たちは一緒に料理し、掃除をし、夜遅くまで語り合いました。私の担当はお風呂係——皆のために湯を沸かすため、石炭をくべていた日々は、奉仕の心と協力する力を養ってくれました。ICUは私にとって、人間性を育む炉でした。
在学中にはNHKと日本テレビでアルバイトをし、アジア・アフリカ研究所ではスワヒリ語を教えていました。これらの経験を通じて、責任感や国際感覚が育まれました。その後アメリカに移住し、投資銀行業、電子機器、不動産と多岐にわたる事業を成功させました。最終的にはネブラスカ大学医療センターで国際医療プログラムの初代ディレクターを務め、20年にわたり奉職しました。
UNMCでは、妻とともに発展途上国からの医師たちを対象としたがん治療研修を無償で提供し、147名が自国で活躍しています。

そして退職後、私の人生で最も意義深い活動が始まりました。ICUで育まれた価値観をもとに、First Sight Eyeglasses, Inc.を設立しました。
私たちのミッションは明快です:世界中の学校に通う子どもたちに、完全無料で視力矯正用のメガネを届けることです。これまでに32カ国、145,000人以上の子どもたちに、個別に合わせたメガネを届けてきました。
私たちのメガネ提供システムは、電力も専門家も不要で、子ども一人あたり10分未満で完了します。費用はわずか6.95ドル。けれど子どもにとっては、そのメガネは未来への扉なのです。学校に通い続け、夢を持ち続けるために。
私たちの活動はタンザニア、マラウイ、ケニア、ウガンダ、さらにはアメリカでも展開されており、多くの教育機関や慈善団体、医療機関が協力しています。すべての子どもに、無条件でメガネを無償提供しています。
ICUがなければ、私はこの道を歩むことはできなかったでしょう。ICUは、タンザニアから来た若者に、声と価値観と「ビジョン」を与えてくれたのです。
ICUの在学生の皆さんへ——今あなたが学んでいるのは、単なる知識ではなく、インスピレーションです。あなたの力を必要としている世界が、今まさに目の前にあります。
私はICUを卒業してから50年以上経ちましたが、ICUは私の中に生き続けています。メガネを受け取って笑顔を見せてくれる子どもたちの中に、ICUの精神が息づいています。
感謝を込めて、
ニザール・マムダニ
First Sight Eyeglasses創設者
1969年 ICU卒業
著者略歴
ニザール・マムダニ氏は、First Sight Eyeglasses, Inc.の創設者であり、発展途上国の子どもたちに個別処方の視力矯正用メガネを無料で提供する非営利団体を率いています。タンザニアで生まれ、日本の国際基督教大学(ICU)を1969年に卒業。ネブラスカ大学医療センター(UNMC)では国際医療プログラムを立ち上げ、妻と共に発展途上国からの147名の医療専門家に対し、がん医療研修を無償で提供しました。
初期のキャリアでは投資業、電子産業、不動産業に従事し、60カ国以上を訪問。ICUキャンパスで出会った妻ナンシー・ハント(JYA生)との間に、東京で生まれた娘がいます。7言語に精通する彼は、現在フロリダ州ネープルズに在住し、視力の支援活動に全力を注いでいます。連絡先:Mobile: +1-402-312-0012 | www.firstsight.org, nmamdani@firstsight.org
