アラムナイ・ストーリーズ第27回 – 橋上雅子さん

この3月、10年間JICUF理事を務めた橋上雅子さんが任期を終了しました。橋上さんはICUの卒業生(ID75)であり、その後、ハーバード・ビジネス・スクールで経営学修士号を、バード大学大学院でデザインの博士号を取得しました。複数の金融機関でキャリアを積み、ジャパン・ソサエティやフリーア美術館・サックラー美術館などの理事も務めました。これまでのJICUFへの貢献に感謝します。橋上さんのエッセイをお楽しみください。
ICUでの思い出
1971年春、私は大きな冒険心を胸にICUのキャンパスにやってきました。伝統的な家庭で育ち、厳格なカトリック系女子校で教育を受けてきた私にとって、男女共学で、公園のように広々としたキャンパスで学ぶことは、驚くほど自由で刺激的でした。
入学して最初の週、目黒駅で電車を待っているときに、同じ新入生の亀山恵(メグ)さんと出会いました。私たちはすぐに意気投合し、毎日90分の通学時間を一緒に過ごすのが楽しみになりました。人生にも学びにも意欲的に取り組む彼女の姿勢は私にとって新鮮な刺激でした。メグの影響は卒業後も長く私の中に残りました。(彼女はその後スタンフォード大学で博士号を取得し、優れた言語学者となりました。)
メグに良い影響を受けたとはいえ、当時の私は決して真面目な学生ではありませんでした。キャンパス生活の自由と活気あるコミュニティに魅了され、D館で華やかな9月生とパーティーに参加したり、友人の寮や下宿に入り浸ったり、三鷹や吉祥寺への外出を計画したりと、広がる交友関係に多くの時間を費やしていました。
やがて私は国際関係/国際法を専攻に選び、緒方貞子先生の外交史セミナーなどの授業を履修しました。しかしその頃も、授業に遅れ、最前列に空いている最後の席にそっと滑り込むことがよくありました。幸いにも同じ授業に、先輩であり優秀な学生だった吉川元偉さんがいて、几帳面にまとめられたノートをいつも快く貸してくれました。(彼は後に国連大使を務められました。)ずっと後になって、ニューヨークでICUの同窓生と食事をした際、緒方先生は私がよく遅刻していたことを覚えていらっしゃいました。

卒業から数年後、私の人生は思いがけない転機を迎えます。不本意なお見合い結婚の破綻を経て、私はシングルマザーとなりました。その後、ICUの行政学研究科(GSPA)に戻り修士号を取得しましたが、修了後はなかなか就職先が見つかりませんでした。そんな時、指導教員であった横田洋三先生が、人生を大きく変える助言をくださったのです。それは、日本の外に出れば、仕事の面でも個人としても、より多くの機会が得られるのではないか、というものでした。
横田先生をはじめ多くの方々からいただいた立派な推薦状のおかげで、私はハーバード・ビジネス・スクールに合格しました。それまで職務経験もなく、英語力も十分ではなかった私にとって、HBSでの生活は決して容易ではありませんでした。当時、現ICU理事長の竹内弘高先生は、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得されたばかりの若手マーケティング教授としてHBSに着任されたばかりでした。私は授業についていくのに苦労し、オフィスアワーに伺って助言(そしてとてもありがたかった慰め)をいただいたことをよく覚えています。
卒業後は金融業界に進み、複数の企業で働きながら、厳しくもやりがいのあるキャリアを築いていきました。しかしニューヨークでの生活初期は、責任の重い仕事と子育ての両立に苦労し、圧倒されることも少なくありませんでした。そんな時、GSPA時代の同級生で、当時ニューヨークの国連で働いていた池上清子さんとそのお母様は、必要なときにいつも手を差し伸べて支えてくださいました。

このように振り返ると、私の人生における多くの重要な瞬間は、ICUの友人や恩師の温かさと支えによって形づくられてきたことに気づきます。しかし年月とともに、ICUとのつながりは次第に薄れていきました。
それから約10年前、当時JICUFの新エグゼクティブ・ディレクターであったポール・ヘイスティングス氏から、理事就任の打診をいただいたことが、ICUとの新たな関係の始まりとなりました。
この10年間、JICUF理事として活動する中で、私はさまざまな形でICUとのつながりを取り戻すことができました。卒業以来初めて理事会のためにキャンパスを訪れ、JICUFのイベントを通じて旧友と再会し、現役学生と出会い、岩切先生をはじめとする現在の大学のリーダーシップチームとも親しくなりました。そして、世界に通用する人材の育成というICUの使命を支えるため、志を同じくする理事の方々とともに活動できたことは大きな喜びでした。
これらの経験を通じて、ICUでの原点に再び立ち帰り、私のキャリアと個人としての生活の双方を形づくってきたコミュニティの影響の大きさを実感しています。
